ピッチシフターを使うとギターサウンドのピッチを変えたりハーモニーを加えたりできます。

自分に合ったピッチシフターを探しているのなら、まずはどんな種類があるのかチェックしてみてください。機種によってはペダルを搭載したタイプもあります。あわせて用途や調整のしやすさ、価格もチェックしましょう。

今回はピッチシフターの選び方やおすすめの機種を紹介します。

ピッチシフターとは

ピッチシフターとは、音声や楽器の音程（ピッチ）を変化させるエフェクターです。再生速度を変えずに音程だけを上下でき、ハーモニーの自動生成や音に厚みを加える用途に使われます。

非現実的なサウンドの演出にも活用され、たとえばRadioheadの「My Iron Lung」では、イントロからピッチシフターを活用した独特のフレーズを聴けます。

ライブ演奏やレコーディングの現場でも活躍しており、表現の幅を広げたいミュージシャンにおすすめなエフェクターのひとつです。

ピッチシフターの選び方

ピッチシフターの選ぶ際は次のポイントをチェックしましょう。

• 種類
• 用途
• 調整のしやすさ
• 価格

種類

ピッチシフターは大きく分けて2種類存在します。それぞれの特徴を見ていきましょう。

ピッチシフタータイプ

ピッチシフタータイプとは、音程を単純に上下させる基本的なエフェクト機能を備えたタイプです。原音に厚みを加えたり、ユニゾン風のサウンドを作ったりするのに適しています。

オクターブ上や下へのシフトがシンプルに設定できるため、初心者にも扱いやすく、初めてピッチシフターを導入する方にもおすすめです。

ワーミータイプ

ワーミータイプとは、エクスプレッションペダルを使ってピッチを滑らかに変化させるエフェクターです。手動では難しい急激な上昇や下降といったダイナミックなピッチ変化をリアルタイムで演出でき、ライブパフォーマンスにおける表現力を大きく広げられます。

アーミング奏法のようなプレイを模したり、劇的な効果を加えたりしたいプレイヤーにおすすめです。

用途

ピッチシフターを選ぶ際は、どんな音作りをしたいのかを明確にすることが大切です。

たとえば、
ハモりを作りたい場合はハーモナイザー機能付きのモデルがおすすめです。演奏中にリアルタイム操作をしたい場合はエクスプレッションペダル対応のモデルを選ぶとよいでしょう。

半音下げなどを簡単に行いたい場合は、ドロップ専用モードが役立ちます。

追従性

ピッチシフターは、入力された音を解析して別の音程に変換する仕組みのため、処理の遅れ（レイテンシー）の少なさもチェックしましょう。特に速いフレーズでは、わずかな遅れでも違和感が生じやすくなります。

また、和音を弾く場合はトラッキング性能の高さも重要です。実際に試奏する際は、和音に対応するポリフォニック性能の有無やレイテンシーの少なさ、反応の速さなどを確認するのもおすすめです。

調整のしやすさ

原音（Dry）とシフト音（Wet）のバランス調整のしやすさは、ピッチシフターの使い勝手を左右する重要なポイントです。

選ぶ際は、Dry/Wetノブの有無や、シフト音のみを出力できるかどうかを確認しましょう。複数ボイスを扱うモデルならそれぞれの音量を個別に調整できるかを確認しておくと、自分が求める音をつくりやすくなります。

価格

ピッチシフターは、価格帯によって搭載されている機能に大きな違いがあります。1万円前後のモデルでも、基本的なピッチ変換が搭載されているため、初心者にもおすすめです。

2〜3万円台になると、ハーモナイザー機能やDry/Wet調整、複数ボイス対応など、必要な機能がそろっているモデルを選びやすいでしょう。

3万円以上のモデルは、ポリフォニック対応や高速トラッキング、プリセット管理など、より高精度で多機能なモデルを選べます。

いずれも重視したい機能や性能を決めたうえで、予算に応じて機種を絞り込むと失敗しにくいでしょう。

おすすめのピッチシフター12選

アンコールズが選ぶおすすめのピッチシフターを12種類紹介します。

DIGITECH Drop

引用：Drop | DigiTech | 取扱いブランド | 株式会社 神田商会 | Kanda Shokai Corporation

DIGITECH Dropは、ギターやベースのチューニングを半音〜1オクターブ下まで瞬時に切り替えられるピッチシフターです。9段階の設定ができ、楽器を持ち替えず自由にピッチを変えられます。

また、踏んでいる間だけ効果をかけるモーメンタリーモードも搭載。重低音リフやドロップD奏法を手軽に再現でき、ライブや宅録を問わず使い勝手の良い一台です。

名称	Drop
価格	–
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

DIGITECH WHAMMY5

引用：Whammy™ | DigiTech | 取扱いブランド | 株式会社 神田商会 | Kanda Shokai Corporation

第5世代Whammyは、単音だけでなく和音ごとピッチを変化できる「コード・シフト」機能を搭載したピッチシフターです。エクスプレッションペダルによる滑らかなリアルタイム操作に対応し、従来以上に表現力の高いプレイが可能です。

トゥルー・バイパス設計により、エフェクトOFF時の音質劣化を抑え、自然でクリアなサウンドを実現。ピッチ変化の自由度と音質を求めるプレイヤーにおすすめです。

名称	WHAMMY5
価格	–
種類	ワーミータイプ

※2025年12月現在

BOSS PS-6 Harmonist

引用：BOSS – PS-6 | Harmonist

BOSS PS-6 Harmonistは、最大3声の自然なハーモニー生成をはじめ、ピッチ・シフト、デチューン、ワーミー系の「S-BEND（スーパー・ベンド）」を1台で対応する多機能なペダルです。

モード切替により、多彩なピッチ系エフェクトを直感的にコントロールできます。ソロやフレーズに厚みや動きを加えたいときに役立ち、コンパクトながら幅広い表現に対応する1台です。

名称	PS-6 Harmonist
価格	22,000円(税込み)
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

TC ELECTRONIC BRAINWAVES PITCH SHIFTER

引用：TC Electronic | BRAINWAVES PITCH SHIFTER エレクトリ オンラインストア

原音に最大2つのハーモニーを重ねられるピッチシフターで、上下4オクターブの広いピッチ操作に対応。Whammy系の大胆なピッチベンドから、繊細なディチューンまで幅広いサウンドを再現できます。

感圧式のMASHスイッチによってリアルタイムな操作ができるほか、TonePrint機能により好みの設定を追加・保存できる柔軟性も備えています。

名称	BRAINWAVES PITCH SHIFTER
価格	22,000円(税込み)
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

TC ELECTRONIC QUINTESSENCE HARMONY

引用：TC Electronic | QUINTESSENCE HARMONY エレクトリ オンラインストア

ギター／ベースに対応したインテリジェント・ハーモナイザーで、2声のハーモニーを自動生成できます。足元の圧力に応じてコントロールできるMASHフットスイッチを搭載し、ワーミーのようなピッチベンドやリアルタイム表現も可能です。

TonePrint機能にも対応し、無料アプリ／エディタを使ってキー、スケール、ハーモニー間隔を細かく調整できます。著名アーティストのプリセット読み込みや、自作設定の保存も可能です。

名称	QUINTESSENCE HARMONY
価格	22,000円(税込み)
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

ELECTRO-HARMONIX Pico Pitch Fork

引用：ピッチ・シフター Pico Pitch Fork electro-harmonix
Pico Pitch Forkは、定番Pitch Forkをコンパクトな筐体に収めた多機能ピッチシフターです。±3オクターブの広い範囲でピッチシフトが可能で、上下・両方向の3モードと10種類のインターバルを組み合わせることで、30通りのシフト設定に対応します。

また、ラッチ／モーメンタリーモードの切替にも対応し、持続的なハーモニーから瞬間的なエフェクト操作まで直感的にコントロールできます。小型ながら機能性に優れた、実用性の高い1台です。

名称	Pico Pitch Fork
価格	–
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

DIGITECH Whammy Ricochet

引用：Whammy™ Ricochet | DigiTech | 取扱いブランド | 株式会社 神田商会 | Kanda Shokai Corporation

定番のWhammyサウンドを、ペダル操作なしで再現できるコンパクトエフェクターです。2度、4度、5度、7度、1オクターブ、2オクターブ、1オクターブ＋原音の7種類のピッチシフトに対応し、上下方向のピッチベンドも可能です。

従来のワーミーでは難しかった省スペースでの設置や直感的な操作が可能で、表現の自由度を高めたいプレイヤーにおすすめのモデルです。

名称	Whammy Ricochet
価格	–
種類	ピッチシフタータイプ

※2025年12月現在

DIGITECH Whammy DT

引用：Whammy DT | DigiTech | 取扱いブランド | 株式会社 神田商会 | Kanda Shokai Corporation

Whammy DTは、定番のWhammy機能にドロップチューニング機能を統合したモデルです。チューニングペグを操作せずに、半音刻みで最大7半音、または1オクターブ単位で上下にピッチ変更が可能。演奏を中断することなくキーを切り替えられるため、ライブやレコーディングで高い利便性を発揮します。

さらに、トゥルーバイパス対応、ハンマーオンやプルオフ的表現ができるMomentaryスイッチも搭載。直感的な操作で高い表現力を実現する多機能な一台です。

名称	Whammy DT
価格	–
種類	ワーミータイプ

※2025年12月現在

BOSS XS-100 Poly Shifter

引用：BOSS – XS-100 | Poly Shifter

新開発の高度なアルゴリズムにより、楽器本来の音色やニュアンスを保ちながら、±4オクターブのピッチシフトが可能なエフェクターです。エクスプレッションペダルとEXPスイッチによってリアルタイム操作も直感的に行え、半音単位のチューニング変更やダウンチューニング、カポの代用としても活用できます。

さらに、最大30のプリセット保存機能やMIDI入出力にも対応。プロユースにも十分な機能性を備えています。

名称	XS-100 Poly Shifter
価格	49,500円(税込み)
種類	ワーミータイプ

※2025年12月現在

Gamechanger Audio BIGSBY Pedal

引用：BIGSBY PEDAL – Media Integration, Inc.

名称	BIGSBY Pedal
価格	71,500円(税込み)
種類	ワーミータイプ

※2025年12月現在

Bigsbyアームのようなベンドやビブラート効果をリアルタイムで足元操作できるポリフォニック・ピッチシフターです。専用のSHARC®チップを採用し、ギターやベース、マンドリンなど幅広い弦楽器で自然な音色を保ちながら滑らかなピッチシフトを実現します。

スプリング機構付きのフットペダルにより、上下に踏み込むだけでコードにも対応したリアルなビブラートやスライドを可能にします。手では難しいラップスティール風の表現など、演奏の幅を広げたいプレイヤーにもおすすめです。

ピッチシフターに関するよくある質問

ピッチシフターに関する質問とその回答を紹介します。

ピッチシフターの使い方は？

ピッチシフターを使う際は、まずエフェクトをオンにし、音程をどの程度上下させるかを設定します。設定は通常、半音単位やオクターブ単位で行います。

次に、原音とシフト音のバランス（ミックス）を調整し、自然な補強にするか、強調したエフェクトにするかを決めましょう。モデルによっては、追従速度を変更できる機能もあり、即時反応させるか、滑らかに変化させるかを選べます。

最後に実際に演奏しながら音程の幅やミックスの比率を微調整し、曲や演奏スタイルに合ったサウンドに仕上げます。

ピッチシフターをつなげる順番は？

ピッチシフターは、入力された音程を正確に検出することが重要なエフェクターです。そのため、
歪みやモジュレーション系よりも前に配置することで、追従性が安定し、自然なピッチ変化を得られます。

一般的で扱いやすい接続順は次のとおりです。

【基本的な順番】 チューナー → ピッチシフター → 歪み系 → モジュレーション → 空間系

一方で、歪みの後にピッチシフターを配置すると、追従は不安定になるものの、独特で人工的な質感を演出することが可能です。自分の求めるサウンドや演出したい効果に応じて、順番を変えて試してみるのもおすすめです。

オクターバーとピッチシフターの違いは？

オクターバーとピッチシフターは、どちらも音程を変化させるエフェクターですが、目的や可変範囲に違いがあります。

オクターバーは、1オクターブ上下など決まった音程を加えることに特化しており、原音を太くしたり低音を補強したりする用途でよく使われます。

一方、ピッチシフターは、半音単位で自由に音程を上下できるため、オクターブ以外のハモりの生成や特殊な効果音の演出にも対応可能です。

まとめ

ピッチシフターを使えば、エレキギターの表現をより広げられます。選ぶ際は種類による違いを確認したうえで、用途や追従性、調整のしやすさなどをチェックしましょう。

新しいエフェクターの購入を考えているなら、古いエフェクターを売却して購入資金に充てるのがおすすめです。近くに売却先が無いのなら、宅配買取専門店のアンコールズにご相談ください。

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