プリアンプはエレキギターの信号レベルを上げてサウンドを安定させる効果があります。もともとギターアンプに内蔵されているため、必須のエフェクターではありませんが、サウンドにこだわりたい場合やオーディオインターフェイスに接続するときに役立ちます。

プリアンプを選ぶ際は、用途やサウンド、サイズなどをチェックしてみてください。信頼性で選ぶのなら、有名ブランドかどうかも確認しておきましょう。今回はプリアンプの選び方と使い方、おすすめのモデルを10個紹介します。

 

ギターエフェクターのプリアンプとは

 

プリアンプは、ギターの音を増幅し、音色のキャラクターを決定づける機器です。エレキギターの微弱な信号を扱いやすいレベルに引き上げ、同時にトーンを整える役割を果たします。

多くのプリアンプでは、真空管やトランジスタを使用し、クリーンからドライブサウンドといった音色の表現が可能です。また、アンプに内蔵されたプリアンプをペダルとして独立させたタイプのモデルもあり、ライブやレコーディングでそのアンプの音色を再現するのに使われます。

ほかにもキャビネットシミュレーターやEQ機能を備えたモデルもあり、ミキサーやオーディオインターフェイスに直接接続しても、自然でリアルなギターサウンドを得られます。

 

プリアンプの選び方

プリアンプを選ぶ際は、下記のポイントを抑えておきましょう。

• 用途
• サウンド、音づくりのしやすさ
• 価格
• サイズ・重量
• ブランド

用途

まず確認したいのは、どのような用途でプリアンプを使うのかを明確にすることです。使用目的によって最適な機種が変わります。

たとえば、アンプの前段で音作りを補助する目的であれば、シンプルなペダル型プリアンプでも十分でしょう。

アンプを使わずにPAシステムやオーディオインターフェイスへ直接接続する場合は、キャビネットシミュレーターやXLRバランス出力を搭載したモデルがおすすめです。ライブで使用する場合は、ノイズの少なさや接続の安定性もチェックしておきましょう。

サウンド、音づくりのしやすさ

プリアンプは、ギターの音の性格を決める要となる機材です。ミッドの可変幅が広いプリアンプであれば、バンドアンサンブルの中でも抜けの良い音を作れます。

また、複数のチャンネルを備えたモデルは、クリーンとドライブを切り替えることで、1台で多彩なサウンドを奏でられます。ライブなどで幅広いジャンルに対応したい場合に便利です。

サウンドにこだわりたい方は、EQの調整範囲やトーン回路の特性にも注目すると、より理想に近い音づくりが可能になります。

価格

プリアンプの価格は、1万円台のエントリーモデルから10万円を超える高級機種までさまざまです。高いモデルほど音質や機能面が充実しますが、高いからと言って必ずしも自分に最適な機種とは限りません。

初心者であれば、2万円以内のシンプルなモデルがおすすめです。扱いやすく無駄な機能にコストをかけずに済みます。

一方で、ライブパフォーマンスやプロ志向で使用する場合は、信頼性や耐久性、音質面に優れた上位モデルも視野に入れましょう。

サイズ・重量

ペダルボードにプリアンプを組み込む場合は、他のエフェクターとの配置バランスを考え、幅・奥行き・高さを確認しましょう。

エフェクターのサイズには主にコンパクトタイプと大型タイプがあります。コンパクトタイプ（約7cm×12cm前後）は、省スペースで持ち運びに便利ですが、ツマミや入出力端子が密集しているため、操作がやや難しく感じる場合もあります。

一方で大型タイプは、操作性に優れ音質も安定しやすいというメリットがあるものの、設置スペースの確保や重量面で配慮が必要です。

また、トップジャック仕様のエフェクターは、入出力端子が上部に配置されているため、限られたボードスペースでも無理なく収めることができます。演奏スタイルや使用機材の構成に応じて、自分にとって最適なサイズや仕様かチェックしてみてください。

ブランド

長く使うことを考えるのなら信頼性の高さも大切です。安価なモデルで音質が良くてもノイズが発生しやすかったり、耐久性に難があったりするケースは少なくありません。

信頼性で選ぶのなら、大手ブランドかどうかも確認しましょう。MXRやMooer、STRYMONといった定評のあるブランドは、音質や品質が高くアフターサポートも整っています。

また、ユーザーレビューやプロミュージシャンによる使用実績も信頼性の判断材料となります。特にライブで使用する場合は安定性が求められるため、ブランドの知名度やサポート体制を確認しておくと安心です。

プリアンプの使い方

プリアンプの使い方はシンプルで、ギターを入力端子に接続し、出力端子をアンプやオーディオインターフェースにつなぐだけです。
接続したら「ゲイン」を使って歪みの量を調整し、続いて「トーン」や「EQ」で低域・中域・高域のバランスを整えます。
たとえば、クリーンなサウンドを求める場合はゲインを控えめに設定し、ロックやメタルのように歪みを活かすスタイルではゲインを高めに調整するのが基本です。
また、ヘッドフォン出力やキャビネットシミュレーターを搭載したモデルであれば、アンプを介さずにそのまま録音もできます。

おすすめのプリアンプ10選

ここではアンコールズでおすすめのプリアンプを10個紹介します。価格やサウンド、ブランドにこだわった機種をピックアップしました。

MXR M133 MICRO AMP

引用：MXR® | MICRO AMP | M133 | モリダイラ楽器
MXR M133 MICRO AMPは、音色を変えずに音量のみをブーストできるシンプルなクリーンブースターです。最大＋26dBまでのゲイン調整が可能で、ソロの音量アップや歪みを強調するときにも役立ちます。

また、長いシールドによる高域の損失を補正したり、シングルコイルとハムバッカーの出力差を調整したりとさまざまな用途にも活用できるのも特徴です。9V電池またはアダプターで駆動でき、堅牢な構造とコンパクトなサイズ感で初心者にもおすすめの一台です。

名称	MXR M133 MICRO AMP
価格	19,800円(税込み)
サイズ	61 mm (W) × 110 mm (D) × 53 mm (H)

STRYMON IRIDIUM

引用：strymon | IRIDIUM | AMP & IR CAB エミュレーター | 製品情報
Strymon IRIDIUMは、真空管アンプとキャビネットを1台で再現できる、高品位なアンプ／キャビネット・シミュレーター
です。

Round、Chime、Punchの3種類のアンプを精密にモデリングし、24bit／96kHz対応の高解像度IR（インパルス・レスポンス）により、リアルで迫力あるサウンドを実現。

ルーム・アンビエンスの調整機能やヘッドフォン出力、USB経由でのIRの入れ替え、MIDI対応など、機能面でも非常に充実しています。自宅でのレコーディングからライブパフォーマンスまで幅広く対応できるのも魅力です。

名称	STRYMON IRIDIUM
価格	67,000円(税込み)
サイズ	102mm（W）×117mm（D）×67mm（H）

Mooer Micro Preamp 005

引用：Mooer Micro Preamp 005
Mooer Micro Preamp 005は、モダンなハイゲインアンプのサウンドを小型の筐体に凝縮したプリアンプペダル
です。独自のIntelligent Amplifier Modeling技術により、真空管アンプ特有の力強い音圧感やレスポンスをリアルに再現。

GAIN、VOLUME、TREBLE、MID、BASSの5つのノブで細かい音作りが可能で、A/Bの2チャンネル構成により音色の切り替えや保存にも対応しています。

さらに、キャビネットシミュレーターのON/OFF切り替え機能を搭載。PAシステムへの接続やレコーディングにも対応します。

名称	Mooer Micro Preamp 005
価格	14,850円(税込み)
サイズ	93.5mm(D)×42mm(W)×52mm(H)

Mooer Micro Preamp 001

引用：Mooer Micro Preamp 001
Mooer Micro Preamp 001は、モダンなハイゲイントーンをコンパクトな筐体に凝縮したプリアンプペダルです。独自の「Intelligent Amplifier Modeling」技術により、真空管アンプ特有のレスポンスやダイナミクスをリアルに再現。

2チャンネル仕様となっており、それぞれに独立した設定を保存できるため、場面に応じた柔軟な音作りが可能です。また、3バンドEQとキャビネットシミュレーターを搭載しており、アンプのパワーアンプ部はもちろん、PAシステムやオーディオインターフェースへの直接接続にも対応します。

名称	Mooer Micro Preamp 001
価格	14,850円(税込み)
サイズ	93.5mm(D)×42mm(W)×52mm(H)

Mooer Micro Preamp 006

引用：Mooer Micro Preamp 006
Mooer Micro Preamp 006は、90年代のFender Deluxeをモデルにしたプリアンプペダルです。クリーントーンから軽いクランチサウンドまで幅広く対応し、GAIN、VOLUME、3バンドEQを使って細やかな音作りが可能です。

クリーン／ドライブの2チャンネル切替機能に加え、キャビネットシミュレーターも搭載。アンプへの直結やライン出力での使用にも対応します。

本体は93.5×42×52mm・約160gという小型設計で、ペダルボードにも組み込みやすく、宅録からライブまで幅広いシーンで扱いやすいのも特徴です。

名称	Mooer Micro Preamp 006
価格	14,850円(税込み)
サイズ	93.5mm(D)×42mm(W)×52mm(H)

ZOOM MS-80IR+

引用：MS-80IR+ | ZOOM
ZOOM「MS-80IR+」は、23種類のアンプおよびキャビネットモデルを搭載した、コンパクトなマルチストンプペダルです。

演奏の強弱に応じて3種類のインパルス応答を自動でブレンドする「マルチレイヤーIR」機能により、実際のキャビネットのような有機的で自然なサウンドを再現。

5種類の空間残響をシミュレートする「Studio Ambience」機能を備え、ライブやレコーディング、日々の練習でも高品位なトーンを提供します。

名称	ZOOM MS-80IR+
価格	19,900円(税込み)
サイズ	133 mm (D) × 79 mm (W) × 61 mm (H)

AMT ELECTRONICS B-1

引用：AMT B1 | AMT Electronics official website
AMT ELECTRONICS B-1は、真空管アンプのような迫力あるハイゲインサウンドが魅力のプリアンプペダルです。低域から高域まで幅広く対応し、密度の高い歪みと抜けの良さが特徴です。

True Bypass回路を採用することで原音の劣化を防止。アンプ用の「Direct Amp Out」と録音やPA接続に適した「Cab Sim Out」の2系統出力も装備しています。コンパクトな設計でペダルボードに組み込みやすく、どんな場面でも扱いやすいモデルです。

名称	AMT ELECTRONICS B-1
価格	–
サイズ	–

AMT ELECTRONICS P-1

引用：AMT P1 | AMT Electronics official website
AMT ELECTRONICS P-1は、5150系アンプのハイゲインサウンドを再現したプリアンプペダルです。JFET回路を採用することで、真空管アンプのような温かみのあるトーンと優れたレスポンスを実現。ギターのボリューム操作にも自然に追従します。

出力端子には、アンプ入力用の「Direct Amp Out」とキャビネットシミュレーションを備えたライン出力「Cab Sim Out」を搭載。ライブはもちろん、レコーディング環境にも対応できる柔軟性を備えています。

名称	AMT ELECTRONICS P-1
価格	–
サイズ	–

Mooer Preamp Live

引用：Mooer Preamp Live
Mooer Preamp Liveは、ライブパフォーマンスに特化した多機能なプリアンプです。12種類のプリアンプチャンネルを搭載しており、幅広いアンプサウンドを即座に切り替えられます

IR対応のキャビネットシミュレーターに加え、外部アンプの音色を取り込める“TONE CAPTURE”機能も搭載。MIDI、USB、Bluetoothによる接続にも対応しており、PAシステムへの直結や宅録など、あらゆるシーンで活用できます。

名称	Mooer Preamp Live
価格	58,850円(税込み)
サイズ	230mm x 130mm x 56mm

FRIEDMAN IR-X

引用：IR-X DUAL TUBE PREAMP｜Friedman Amplification
FRIEDMAN IR-Xは、真空管12AX7を2本搭載した本格派のデュアルチャンネル・プリアンプペダルです。

Dave Friedmanの設計による高電圧駆動回路を採用。アンプさながらの豊かなハーモニクスと自然なレスポンスを実現しています。さらにクリーンからハイゲインまで幅広い音域に対応し、各チャンネルには独立したブースト機能を搭載しているのも特徴です。

IR（インパルスレスポンス）機能によって12種類のキャビネットサウンドを選択できるほか、USBによる編集やMIDI制御にも対応しています。

名称	FRIEDMAN IR-X
価格	132,000円(税込み)
サイズ	14cm (D) x 17cm (W) x 6.0cm (H)

プリアンプに関するよくある質問

プリアンプに関するよくある質問とその解答をご紹介します。

プリアンプをつなぐ順番は？

プリアンプの接続順は、使用目的や求めるサウンドによって異なりますが、歪み系エフェクターの後、空間系（ディレイやリバーブ）の前に配置するのが基本です。

たとえば次のような順番になります。

【つなぎ方の例】 ギター → コンプレッサー → 歪み系（オーバードライブ・ディストーション）→ プリアンプ → モジュレーション系（プリアンプ・フランジャーなど）→ 空間系（ディレイ・リバーブ）

プリアンプは音の芯を作る役割を担っており、歪み系エフェクターの後に置くことで全体の音量やキャラクターを整える効果が得られます。

一方、プリアンプ自体をメインの歪み源として使う場合は、ギターの直後に配置することもあります。最終的には狙う音色や他のエフェクターとのバランスを確認しながら順番を調整するのがポイントです。

エレキギターにプリアンプはいらない？

エレキギターにおいて、プリアンプは必ずしも必要な機材というわけではありません。ギターアンプにはすでにプリアンプ機能が内蔵されているため、直接アンプに接続すれば十分に音を作れます。

しかし、アンプを使わずにオーディオインターフェイスに接続する場合や特定のアンプサウンドを再現したい場合は、外部プリアンプが役立ちます。

特に細かく音作りをコントロールしたい場合や大型アンプを持ち運べない環境は、プリアンプの使用がおすすめです。

プリアンプとDIの違いは？

プリアンプとDI（ダイレクトボックス）は、どちらもギターやベースなどの信号を整える機材ですが、それぞれ使用目的が異なります。

プリアンプは、信号を増幅して音色を作るための装置です。ゲインやトーンを調整することで、アンプや録音機器に適した音量や音質に整えられます。

一方、DIは信号の「変換」に特化した機器です。ギターのようなハイインピーダンスの信号をミキサーやオーディオインターフェイスで扱いやすいローインピーダンスのバランス信号に変換します。

つまり、プリアンプは「音作り」、DIは「信号の安定化とノイズ対策」を目的とした機材といえます。

まとめ

プリアンプはギターの音を増幅し、トーンを整える役割をもつエフェクターです。プリアンプを選ぶ際は用途を確認したうえで、サウンドや価格、サイズに注目しましょう。安定性で選ぶならブランドもチェックしてみてください。

不要なエフェクターやエレキギターがご自宅で眠っているなら、ぜひアンコールズへご相談ください。全国に対応していますので、お住まいの地域に関係なくご利用いただけます。

梱包に必要なダンボールや緩衝材は無料でご用意いたします。もちろん査定料や送料、キャンセル料はかかりません。気になる方はお気軽にお問い合わせください。

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