オーバードライブは、エレキギターの音に「歪み（ひずみ）」を加えるエフェクターです。ロックを中心に幅広いジャンルで使われており、リードギターを弾くときや他の音に埋もれたくないときにも効果的です。

オーバードライブエフェクターにはさまざまな機種があるため、求めるサウンドや操作系統、サイズなどから選ぶと、自分に合ったエフェクターを見つけやすくなります。はじめての一台を探しているなら、定番モデルを選ぶと失敗しにくくておすすめです。

今回はオーバードライブエフェクターの選び方と実際におすすめの定番エフェクターを紹介します。

＞＞エレキギターの歪み系エフェクター6選！歪みの種類や選び方も解説

オーバードライブエフェクターの選び方

オーバードライブエフェクターを選ぶ際は、下記のポイントをチェックしておきましょう。

・目的に合ったサウンドかどうか
・回路のタイプ
・操作系統、コントロールのしやすさ
・ギターやほかのエフェクター、アンプとの相性
・筐体のサイズ・頑丈さ
・価格
・電源方式

それぞれ詳しく紹介します。

目的に合ったサウンドかどうか

同じオーバードライブエフェクターでも、機種によって歪みの強さや質感が大きく異なります。

ほんの少し歪ませたいのか、チューブアンプのような温かみのある歪みが欲しいのか、すでに歪んだアンプやペダルをさらにブーストしたいのかでも、選ぶエフェクターは変わるでしょう。そのため、自分の目指すサウンドや使い方を明確にすると、最適な一台を見つけやすくなります。

回路のタイプ

オーバードライブの回路には、大きく分けてアナログタイプとデジタルタイプの2種類があります。

アナログ回路は、自然な歪みが得られるのが特徴で、温かみのある耳にやさしいサウンドが魅力です。

一方、デジタル回路はやや硬質な音色ですが、音の再現性に優れており、細かなニュアンスまで忠実に表現できます。

単純な音の好みだけでなく、ライブや録音など用途に応じてどちらが合っているか考えるのもポイントです。

操作系統、コントロールのしやすさ

使いやすさでエフェクターを選ぶなら、コントロール系統にも注目しましょう。

オーバードライブエフェクターは、基本的に「Gain（Drive）」で歪みの量を調整し、「Tone（EQ）」で音の明るさを変え、「Level（Volume）」で出力音量を決める仕組みです。

このようなシンプルな構成でも、効き方はエフェクターによって大きく異なります。コントロールのしやすさは音の作りやすさにも影響するため、できれば試奏して各つまみの反応を確かめるのがおすすめです。

ギターやほかのエフェクター、アンプとの相性

エフェクター単体で良い音がしても、実際にエレキギターやアンプ、そのほかのエフェクターと組み合わせると印象が変わることがあります。

特にエレキギターはシングルコイルとハムバッカーで出音の輪郭が違い、アンプによっても歪み方が変化します。可能でしたら自身の機材やそれに近いギターを借りて試奏すると相性を確かめやすいでしょう。

筐体のサイズ・頑丈さ

エフェクターをボードに組み込む際は、筐体のサイズや形状も重要なポイントです。限られたスペースの中に複数の機材を収めるためには、コンパクトなモデルが適しています。

ライブ演奏など頻繁に足で操作する場合は、頑丈な金属製の筐体を選ぶと安心感が増します。

また、小型モデルを選ぶ場合は、電源端子の位置にも注目しましょう。端子の配置によっては、エフェクターボードのレイアウトの自由度に大きく影響します。

価格

初心者であれば、5,000〜10,000円台の手頃なモデルから始めても問題ありません。定番のエフェクターは安価でありながら十分に使える機種が多く、初心者にも最適です。

ただし、「安い」という理由だけで選ぶと、音質や操作性に不満を感じやすくなります。反対に高価なモデルを選んでも必ずしも自分に合うとは限りません。エフェクターを選ぶ際は、金額以外の要素とのバランスも意識しましょう。

電源方式

エフェクターは9V電池で動くものがほとんどですが、エフェクターボードに乗せて複数のペダルを使うなら、アダプター端子の位置や対応電圧もチェックしておくと安心です。

エフェクターによってはバッテリー駆動タイプもあり便利ですが、都度充電が必要になるリスクがあるのは覚えておきましょう。

おすすめのオーバードライブエフェクター7選

ここではおすすめのオーバードライブエフェクターを7つ紹介します。初心者でも扱いやすい定番モデルを中心にピックアップしました。

BOSS OD-3

引用：BOSS – OD-3 | OverDrive

BOSS OD-3は、豊かな中低域と厚みのあるサステインが魅力のオーバードライブ・ペダルです。

特徴的なデュアル・ステージのオーバードライブ回路により、自然で温かみのある歪みを生み出し、クリーンブーストから力強いドライブサウンドまで幅広い表現に対応します。

コード弾きでも音が潰れず、音の輪郭がはっきりと残るため、ロックやブルースなどのジャンルにも最適です。

名称	BOSS OD-3
価格	13,200円（税込）
回路のタイプ	アナログ
サイズ	70(W)×55(H)×125(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

BOSS BD-2

引用：BOSS – BD-2 | Blues Driver

「ブルース・ドライバー」は、チューブアンプのような自然な歪みと温かみのあるトーンが特徴で、ギターのニュアンスも忠実に再現してくれるエフェクターです。

軽いクランチから力強いオーバードライブまで幅広く対応し、表現力豊かなプレイを引き立てます。ブルースやロックをはじめ、感情を込めた演奏をする際にもおすすめです。

また、直感的に扱えるシンプルな操作性も長年にわたって多くのプレイヤーに愛され続けている理由です。

名称	BOSS BD-2
価格	12,100円（税込）
回路のタイプ	アナログ
サイズ	70(W)×55(H)×125(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

BOSS OD-1X

引用：BOSS – OD-1X | OverDrive

BOSS OD-1Xは、次世代のオーバードライブを実現するコンパクトエフェクターです。独自のMDP（Multi-Dimensional Processing）技術により、従来のオーバードライブでは再現しきれなかった高い解像度とダイナミクスを実現。

コードや単音の輪郭もくっきりと際立ち、音の分離感も抜群です。広い周波数帯に対応し、現代的で抜けの良いサウンドを楽しめます。高出力ピックアップや7弦ギターにも対応しており、現代的なハイゲイン環境でも威力を発揮するエフェクターです。

名称	BOSS OD-1X
価格	19,800円（税込）
回路のタイプ	デジタル
サイズ	73(W)×59(H)×129(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

Ibanez TS9

引用：TS9 | TUBE SCREAMER | EFFECTS | PRODUCTS | Ibanez guitars – アイバニーズ

Ibanez TS9は、「チューブスクリーマー」シリーズの定番モデルで、多くのギタリストに愛されるオーバードライブエフェクターです。

中音域が特徴的でアンプ本来のサウンドを活かしながら滑らかで温かみのあるオーバードライブサウンドが楽しめます。

ピッキングニュアンスへの反応も良く、ソロやバッキングの時にも役立ちます。シンプルな操作性とクラシックなルックスも魅力で、ジャンルを問わず使いやすいエフェクターです。

名称	Ibanez TS9
価格	20,350円（税込）
回路のタイプ	アナログ
サイズ	74(W)×53(H)×124(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

MAXON OD820

引用：OD820

MAXON OD820は、太く温かみのあるサウンドが特徴のペダルです。広いダイナミックレンジと高い解像度を持ち、ギターの原音やピッキングニュアンスを忠実に再現。

ローゲイン時はクリーンブーストとしても活躍し、ハイゲイン時でも音が潰れず芯のあるトーンです。FETを用いたチューブアンプ風のドライブ感と大型ケースによる存在感も魅力といえます。ヴィンテージ系からモダンな音作りまで、幅広いスタイルに対応する万能な一台です。

名称	MAXON OD820
価格	24,200円（税込）
回路のタイプ	アナログ
サイズ	120(W)×60(H)×152(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

MXR M193 GT-OD

引用：MXR® | GT-OD | M193 | モリダイラ楽器

ナチュラルで抜けの良いサウンドが特徴のペダルです。ピッキングの強弱に素直に反応し、クリーンブーストからウォームなドライブトーンまで幅広く対応します。

中音域に程よく張りがあり、コード弾きでも音が濁らず輪郭が明瞭です。シンプルな3ノブ仕様で直感的に操作でき、ジャンルを問わず使いやすい万能型オーバードライブです。

名称	MXR M193 GT-OD
価格	24,200
回路のタイプ	アナログ
サイズ	61mm(W)×53mm(H)×110mm(D)
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

BEHRINGER TO800

引用：TO800 VINTAGE TUBE OVERDRIVE – 製品一覧 – ベリンガー公式ホームページ

ビンテージ・チューブスクリーマー系のサウンドを再現したオーバードライブ・ペダルです。暖かくスムーズな中音域が特徴で、ソロやリードプレイにも適しています。原音とのバランスも良く、ピッキングニュアンスも自然に表現できます。

高品質なオペアンプとダイオードを搭載しながら非常にリーズナブルな価格で、初心者にもおすすめのエフェクターです。

名称	BEHRINGER TO800
価格	5,170円（税込）
回路のタイプ	アナログ
サイズ	70(W)×54(H)×123(D)mm
電源方式	9V電池またはACアダプタ

※2025年5月現在

オーバードライブエフェクターの使い方

オーバードライブエフェクターを使う際は、それぞれのつまみの役割を理解するのがポイントです。これらのつまみは相互に影響し合うため、バランスを見ながら調整します。

・Drive（Gain）：歪みの強さを調整します。 ・Tone：音の明るさや硬さを調整します。高く設定すると明るく、低くすると暗めの音になります。 ・Level（Volume）：エフェクトON時の音量を調整します。

セッティングする際は、すべてのつまみを12時の位置に設定し、そこから微調整すると好みのサウンドが見つけやすいでしょう。

まずはDriveで歪みの量を決め、その後Toneで音色を調整し、最後にLevelで音量を整えるとスムーズです。

オーバードライブエフェクターに関するよくある質問

ここではオーバードライブエフェクターのよくある質問とその解答を紹介します。

オーバードライブとディストーションの違いは？

オーバードライブとディストーションは、それぞれ同じ歪みではありますが、歪みの強さや質感が違います。
オーバードライブは、自然でマイルドな歪みが特徴です。音の輪郭も残りやすく、クリーン〜軽い歪みまで表現できます。そのため、ブルースやポップス、軽めのロックにも最適です。

一方、ディストーションはより激しく深い歪みで音も太めです。そのため、ハードロックやメタルなどより激しい音楽で使われます。

オーバードライブは必ず必要？

オーバードライブは必須ではありませんが、「音にニュアンスや表情を加えたい」「ソロを目立たせたい」「アンプの歪みだけでは物足りない」と感じる場合はとても効果的です。

特にクリーンアンプを使っている場合は、オーバードライブエフェクターがあると歪みの幅が広がり、より多彩な表現が可能になります。

一方で、すでにアンプに十分な歪みがある、あるいはクリーンサウンド中心の演奏なら、無理に使う必要はないでしょう。

まとめ

ギターサウンドに自然な歪みを与えるオーバードライブエフェクターは、ロックに欠かせないエフェクターの一つです。各メーカーさまざまな機種を取り扱っているため、今回紹介した内容を参考に、自分に合ったエフェクターを見つけてみましょう。

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